老賢人と因業――『あるがままを受け入れて』 2023/03/31 by Ω No comments 森忠明 おととし、NHKテレビのリハーサルで、登校拒否の経験を喋っていると、女性ディレクターが近寄ってきて「不登校と言いかえてくれませんか」。 たしかに私の場合、学校 Continue reading →
七百分の一天使――『のんちゃん』 2023/02/28 by Ω No comments 森忠明 成人式の日に築地本願寺で通夜があった。私の高校時代のK先生(数学担当)が、六十三歳で病死したのだ。久しぶりに会した元同級生十人は「ちょっとお茶でも」と有楽町へ流れた。喫茶店 Continue reading →
巣立ち前夜――『また、あした』 2023/01/31 by Ω No comments 森忠明 毎年、正月は妻の実家がある広島市で迎える。元日と二日は家族サービスに徹し、三日は放免されて単独行動、必ず「ひろしま美術館」へ行く。 ことしもお気に Continue reading →
絶景貧乏性――『空と話せる指定席』 2022/12/31 by Ω No comments 森忠明 昨春、初めて福岡タワーに昇った。生来の高所恐怖症と”絶景貧乏性”のために、展望台でのコーヒーを味わう余裕もなく、そそくさと降りてきた。 Continue reading →
教外別伝―森忠明『ハイティーン詩集』・後記(連載36) 2022/11/30 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 教外別伝 子宮癌で死ぬ日 意識不明の祖母は糞にまみれた 看護婦二人がかりでも処理できない 大量の大便 俺は恥ずかしがりの祖母を愛していたから 手を焼 Continue reading →
デージー―森忠明『ハイティーン詩集』(連載35) 2022/10/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 デージー きみは椿が好きなのか 俺は野にあるデージーなんかいいね こないだ細江英公氏が送ってくれた『写真絵本・妖精物語・ルナロッサ』の中に かわいい Continue reading →
たのしい川べ―森忠明『ハイティーン詩集』(連載34) 2022/09/30 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 たのしい川べ 「日本一美しい町」の五月の川で きみと水切りをした 帯広の詩人梅津邦博氏は 「日本一美しい川は札内川です」 と言ってたけど あそこは急 Continue reading →
水色セータ —森忠明『ハイティーン詩集』(連載33) 2022/08/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 水色セータ ― 俺が愛した七代目 橘家圓蔵は、セーターを セータと発音し Continue reading →
ノエル―森忠明『ハイティーン詩集』(連載32) 2022/07/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 ノエル 1999年の聖夜 小金湯のだんなが 古くて立派な銭湯と自分に放火 金閣寺炎上! と見紛う写真が新聞にのった 五十八歳 ひとりぐらしだったそう Continue reading →
合昏—森忠明『ハイティーン詩集』(連載31) 2022/06/30 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 合昏 「銭形平次捕物控」原作者の墓を左に、陸軍大将阿南惟幾の墓を右に見て、十メートルほど行くと、コンクリート製の古ぼけた便所がある。男女共用というか Continue reading →