眼黒—森忠明『ハイティーン詩集』(連載30) 2022/05/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 眼黒 死んだ幼友だちを主人公にして童話を出版したら 舞鶴市立志楽小学校の五年生持田範昭氏からファンレターが来た &nbs Continue reading →
処女懐胎―森忠明『ハイティーン詩集』(連載29) 2022/04/30 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 処女懐胎 深夜 祖母の看病に飽きた俺は 伊藤律の個室はどこかなと思いつつ 立川相互病院の暗い階段を上がった 4Fだったか 産婦人科ナースステーション Continue reading →
女流探偵―森忠明『ハイティーン詩集』(連載28) 2022/03/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 女流探偵 アポロ11号が月に着いた日に 砂川の農家から黒い雌犬をもらって ポロという名をつけた 旅先から〈森ポロ様―おまえのご主人は Continue reading →
黄ばんだ童話―森忠明『ハイティーン詩集』(連載27) 2022/02/28 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 黄ばんだ童話 朝の食卓で四歳の娘が 保育園へ行きたくなさそうにつぶやく 「いちごジャムはいいな びんのなかでねむっていられて」 パパもそう思う でき Continue reading →
食卓の風景—森忠明『ハイティーン詩集』(連載26) 2022/01/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 食卓の風景 東京キッドブラザーズ「十月は黄昏の国」のために 今朝もパンが幸せ色にこげる 嫁入り道具のトースターなのに きまって片側がこげすぎる 朝日 Continue reading →
祝婚—森忠明『ハイティーン詩集』(連載25) 2021/12/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以後 森忠明 祝婚 ――たとえば マルクス主義者ではなかった ジェニー・マルクス ど Continue reading →
失う日―森忠明『ハイティーン詩集』(連載24) 2021/11/30 by Ω No comments 小詩集『おれは森忠明だ』(1967) 寺山修司編 森忠明 失う日 八月の西陽にしびの中で 便所の手水ちょうずがぷっつり切れたのが 失意の手はじめだった 俺はもともと ポケットを Continue reading →
夏―森忠明『ハイティーン詩集』(連載23) 2021/10/31 by Ω No comments 小詩集『おれは森忠明だ』(1967) 寺山修司編 森忠明 夏 立川基地拡張反対を叫ぶビラと外人ヌードショウの引札を一枚ずつ握った優しい父親が帰ってきて Continue reading →
四月―森忠明『ハイティーン詩集』(連載22) 2021/09/30 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 四月 何から何までおどろくほど 心機一転だ 鉄道も走るよ 何もかもだ 長身の男よおまえは どうする * 寒い四月 私立大学のスクールバス Continue reading →
終息―森忠明『ハイティーン詩集』(連載21) 2021/08/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 終息 優しい院長! 乳と血の芳香と共に忘れない貴殿のやさしみ 「家庭の医学」の指摘どおり死は登りつめ 隣のベッドのケイコさ Continue reading →