恋着―森忠明『ハイティーン詩集』(連載20) 2021/07/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 恋着 愛を告げることも難しいけれど その愛を受けることも難しいものです と リエコさんは言ったが Continue reading →
花見/初夏―森忠明『ハイティーン詩集』(連載19) 2021/06/30 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 花見 一週間もごぶさたしたビルの建築風景のように 彼の心は易く癒いえている 強い風のあとから天気雨で 閉め忘れの木戸はおとなしく濡れてい Continue reading →
遊園―森忠明『ハイティーン詩集』(連載18) 2021/05/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 遊園 うまい物を食べて帰ろう 珍芸の犬たちも辛くなったらしいし 切符をもぐおねえさんの口紅も褪せかかった あと十年もしてお Continue reading →
週末―森忠明『ハイティーン詩集』(連載17) 2021/04/30 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 週末 若いのだ ということ 不覚といえばそれだけで おれもやはり土曜は半どんで多少多く愛するだろう 旅にでれば哀しい過去の Continue reading →
此所―森忠明『ハイティーン詩集』(連載16) 2021/03/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 此所 此所へ何をしに来たか 鳩尾あたりの皮膚を眺めていると おれにはおれの意義が また わからなくなる あと Continue reading →
別言―森忠明『ハイティーン詩集』(連載14) 2021/01/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 別言 左様なら 万全を期したはたとせ 不愉快だった 口笛で呼びとめられたあの五月 その俺の口笛で呼びそ Continue reading →
覗窓―森忠明『ハイティーン詩集』(連載13) 2020/12/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 覗窓 突如 男は女を殴り 不思議に女は男にしなだれ 小外刈をかけそこなったように 非衛生な寝台に崩れていく 老映写技師キクタさんは 今日 Continue reading →
未明―森忠明『ハイティーン詩集』(連載12) 2020/11/30 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 未明 女のような流し方をする あの懐しくも愚劣な街の銭湯で したたか友情に酔いながら おれはついそんな批評を君に呈したことがあった 別れ Continue reading →
好漢―森忠明『ハイティーン詩集』(連載11) 2020/10/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 好漢 空という空が俺を決して記憶しないでいるように 俺も空の境涯を決して諒解しないだろう ただ愛くるしく いかにも思慮深げな首元のおまえ Continue reading →