梶井基次郎素描

齋藤恭一      「連れて携へてゐ」るか、あるいは「連れがなくとも金と健康を持つてゐる人」のための銀座に、尭(タカシ。梶井の分身)は「何をしに自分は来たのだ」とくり返す。「陶器のやうに白い皮膚を翳らせてゐる多 Continue reading →

弱きもの、汝の名は男なり

浅川修史    「女は男から創られた」。旧約聖書「創世記」第2章では、創造主によって、最初の人間アダムのあばら骨の一部から女が創られる光景を記述する。「こういうわけで、男は父母から離れて女と結ばれ、二人は一体と Continue reading →

3.11 イノチ-Part I

田島和子(KAZUKO TAJIMA) .    人間の手によって、地球の自然環境にばらまかれてしまった放射性物質はあらゆる生物の体内に否応なく取り込まれてゆく。  地球の生命はこれまでのように自然の恵みを喜び Continue reading →

私のマルセル・プルースト研究/『失われた時を求めて』における一人称についての私見(5)

蒲地きよ子 (4)より続く  こうして、作家プルーストと、作品中の≪私≫との間の、像の重なり工合と、ずれ工合とを一応不充分ながら見てきたと思うので、わたくしははじめの疑問に戻って、どうして作家がその話者に名を与えなかった Continue reading →

3.11ブルーの鯉のぼり(Photos)

若生のり子(NORIKO WAKO) 3・11被災地の写真です。  宮城県東松島市大曲浜地区 それまでは、住宅地で真新しい家屋がびっしりと立ち並んでいたところでした。 津波によって原野と化し、 無残に破壊されたガランドウ Continue reading →