私のマルセル・プルースト研究/『失われた時を求めて』における一人称についての私見(5)

蒲地きよ子 (4)より続く  こうして、作家プルーストと、作品中の≪私≫との間の、像の重なり工合と、ずれ工合とを一応不充分ながら見てきたと思うので、わたくしははじめの疑問に戻って、どうして作家がその話者に名を与えなかった Continue reading →

3.11ブルーの鯉のぼり(Photos)

若生のり子(NORIKO WAKO) 3・11被災地の写真です。  宮城県東松島市大曲浜地区 それまでは、住宅地で真新しい家屋がびっしりと立ち並んでいたところでした。 津波によって原野と化し、 無残に破壊されたガランドウ Continue reading →

介護の仕事現場~訪問入浴編~

雪(ペンネーム)  短大を出てから4年間、がむしゃらに介護の現場で働いてきた。介護の学校を出たわけではなく、介護現場がどういうものかという知識をほとんど持たず、現場に飛び込んでいった。就職時に言えたことは、「体力とやる気 Continue reading →

他者の夢 

高橋一行 2013年の年末、NHKのドラマ「あまちゃん」の再放送を見る。そこでは、いくつもの、他者の夢が語られていた。 主人公の天野アキは、三陸の高校生で、海女になりたいと思っている。親友の、足立ユイは、東京に行って、ア Continue reading →

私のマルセル・プルースト研究/『失われた時を求めて』における一人称についての私見(4)

蒲地きよ子 (3)より続く    「ただし、≪私≫とだけは決して言わないことですね。」とジッドに忠告したプルーストは、従来の小説に用いられた一人称の、≪複眼的≫でない、一般的に使用される意味の≪私≫を言っている Continue reading →