他者の性

高橋一行   社会学者三部倫子さんの著書『カムアウトする親子 -同性愛と家族の社会学-』(御茶の水書房)を読む。著者と知り合う機会があり、すでに私は内容を聞いていて、その扱う範囲については、予想通りのものなのだ Continue reading →

梶井基次郎素描

齋藤恭一      「連れて携へてゐ」るか、あるいは「連れがなくとも金と健康を持つてゐる人」のための銀座に、尭(タカシ。梶井の分身)は「何をしに自分は来たのだ」とくり返す。「陶器のやうに白い皮膚を翳らせてゐる多 Continue reading →

弱きもの、汝の名は男なり

浅川修史    「女は男から創られた」。旧約聖書「創世記」第2章では、創造主によって、最初の人間アダムのあばら骨の一部から女が創られる光景を記述する。「こういうわけで、男は父母から離れて女と結ばれ、二人は一体と Continue reading →