「所有しないということ」アガンベンを読む (2) -『他者の所有』補遺 (2) – 2015/06/20 by 高橋一行 One comment 高橋一行 (1)より続く まず、もう一度、例外状態を列挙することから始めたい。不安定なワイマール期を念頭にして、また、すぐその後に訪れるナチス時代を予期した、シュミットの概念装置を使い、アガンベンは、それを Continue reading →
「所有しないで使用する」アガンベンを読む (1) -『他者の所有』補遺 (1) – 2015/06/08 by 高橋一行 One comment 高橋一行 G. アガンベン (1942 – ) は、ネグリと並んで人気のあるイタリアの哲学者である。著作は、20冊近くが翻訳されているが、私がここで扱うのは、以下の4部作を構成する5冊の翻訳である。この4部作 Continue reading →
日本の大学生のみじめな歴史認識と未熟な男女平等意識 2015/05/05 by 安川寿之輔 No comments ─26年間のアンケート調査を通して 安川寿之輔 はじめに─深刻な学生像 名古屋大学旧教養部時代の私の1989年以来の社会思想史の講義(「日本の社会と歴史」)受講者(ほぼ毎年100~150名)を対象とする1 Continue reading →
「福沢諭吉神話」解体の道のり① 2015/04/17 by 安川寿之輔 No comments 安川寿之輔 はじめに―福沢諭吉研究のきっかけ 今からちょうど半世紀前、1964年に私が初めて『学問のすすめ』を読んだのは偶然のきっかけによる。水田洋 (当時名大経済学部教授、現、学士院会員) から『日本の Continue reading →
サルトルとフーテンの寅(最終講義) (下) 2015/02/01 by 永井 旦 2 comments 永井 旦 (中)より続く もう余り時間が無くなりましたのでいきなり結論に行きます。今の文化状況、政治状況がどうなっているのかというと、流浪の民というのは確かにいます。はっきり言うならば、難民 Continue reading →
サルトルとフーテンの寅(最終講義) (中) 2015/01/31 by 永井 旦 2 comments 永井 旦 (上)より続く それで、時間が大分押してきたので、話を「寅さん」の方に移そうと思います。(笑) 何故これが寅さんと結び付くのか? 寅さんというのはさすらいの人間です。決して定住しま Continue reading →
サルトルとフーテンの寅(最終講義) (上) 2015/01/29 by 永井 旦 One comment 永井 旦 どうも皆さん、お久しぶりです。最終講義と言いましても、皆さん方は学生という感じでもないし、かと言って、単なる市民講座の聴衆でもないし。(笑) 市民講座などですと、必ず「頷きおばさん」が居て、僕が Continue reading →
ゾルゲ事件の端緒をめぐる諸問題 2014/11/12 by 渡部富哉 No comments 渡部富哉 満州日日新聞(昭和十二年一月二十一日号) この資料の発掘によって、川合貞吉の著述した「満州国際諜報団事件」が、全くの虚構であることが分かった。(「翻訳集」第40号論文参照) 「事件発 Continue reading →
我々にとっての「柔弱」の意味 2014/09/21 by 西兼司 No comments 西兼司 一、『老子』のイメージ 今、手元に、講談社学術文庫(平成9年)・金谷治(1988年)訳註『老子』と岩波文庫(2008年)・蜂屋邦夫訳注『老子』の二冊がある。金谷版も凡例で、「底本は王弼(おうひつ) Continue reading →
他者の所有 -ヘーゲルの余白に- (3) 他者が所有する 2014/09/18 by 高橋一行 One comment 高橋一行 (2)より続く 第3節は、新宮一成の『ラカンの精神分析』を主として分析する。その前に、すでに、私たちは、彼の、「所有の病理」という短い論文を取り挙げている。もう一度、それを見る。本稿そのものが、所有の病理に始 Continue reading →