東西ドイツの統一過程における公共交通と公共性に対する市民意識 ――ハレ市・ハイデ北への路面電車の延伸計画とその挫折過程に関する考察(二)

田村伊知朗   4.路面電車の延伸計画の挫折    このような公共性に対する市民意識に基づき、ハイデ北への路面電車の延伸計画がハレ市において議論された。統一直後のハレ市において、ハイデ北だけではなく、 Continue reading →

東西ドイツの統一過程における公共交通と公共性に対する市民意識 ――ハレ市・ハイデ北への路面電車の延伸計画とその挫折過程に関する考察(一)

田村伊知朗   はじめに     1989年にベルリンの壁が崩壊し、分裂した二つの国家すなわちドイツ連邦共和国(以下、西独と略)とドイツ民主共和国(以下、東独と略)が統合された。公共交通網の再構築がそ Continue reading →

後期近代における公共性の存在形式――公共交通における路面電車ルネサンスの政治思想的基礎づけを中心にして(その三)

田村伊知朗   (その二)から続く   4.公共交通の復権への具体的前提     本節では、この市民意識の変容において触媒的役割を担った要素、つまりその実体的根拠に触れてみよう。官僚機構にお Continue reading →

後期近代における公共性の存在形式――公共交通における路面電車ルネサンスの政治思想的基礎づけを中心にして(その一)

田村伊知朗   はじめに                                  本稿の目的は、後期近代における公共交通の意義を政治思想的観点から基礎づけることにある。とりわけ、後期近代に復 Continue reading →

後期近代の公共交通に関する政治思想的考察――ハレ新市における路面電車路線網の延伸過程を媒介にして (その一)

田村伊知朗   はじめに                          ザクセン・アンハルト州の一都市であるハレ市は、ドイツ民主共和国(以下、東独と略)のハレ県の県都であった。東独時代に、ハレ市に隣接してハ Continue reading →