食卓の風景—森忠明『ハイティーン詩集』(連載26) 2022/01/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以降 森忠明 食卓の風景 東京キッドブラザーズ「十月は黄昏の国」のために 今朝もパンが幸せ色にこげる 嫁入り道具のトースターなのに きまって片側がこげすぎる 朝日 Continue reading →
祝婚—森忠明『ハイティーン詩集』(連載25) 2021/12/31 by Ω No comments ハイティーン詩集以後 森忠明 祝婚 ――たとえば マルクス主義者ではなかった ジェニー・マルクス ど Continue reading →
失う日―森忠明『ハイティーン詩集』(連載24) 2021/11/30 by Ω No comments 小詩集『おれは森忠明だ』(1967) 寺山修司編 森忠明 失う日 八月の西陽にしびの中で 便所の手水ちょうずがぷっつり切れたのが 失意の手はじめだった 俺はもともと ポケットを Continue reading →
夏―森忠明『ハイティーン詩集』(連載23) 2021/10/31 by Ω No comments 小詩集『おれは森忠明だ』(1967) 寺山修司編 森忠明 夏 立川基地拡張反対を叫ぶビラと外人ヌードショウの引札を一枚ずつ握った優しい父親が帰ってきて Continue reading →
四月―森忠明『ハイティーン詩集』(連載22) 2021/09/30 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 四月 何から何までおどろくほど 心機一転だ 鉄道も走るよ 何もかもだ 長身の男よおまえは どうする * 寒い四月 私立大学のスクールバス Continue reading →
終息―森忠明『ハイティーン詩集』(連載21) 2021/08/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 終息 優しい院長! 乳と血の芳香と共に忘れない貴殿のやさしみ 「家庭の医学」の指摘どおり死は登りつめ 隣のベッドのケイコさ Continue reading →
恋着―森忠明『ハイティーン詩集』(連載20) 2021/07/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 恋着 愛を告げることも難しいけれど その愛を受けることも難しいものです と リエコさんは言ったが Continue reading →
花見/初夏―森忠明『ハイティーン詩集』(連載19) 2021/06/30 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 花見 一週間もごぶさたしたビルの建築風景のように 彼の心は易く癒いえている 強い風のあとから天気雨で 閉め忘れの木戸はおとなしく濡れてい Continue reading →
遊園―森忠明『ハイティーン詩集』(連載18) 2021/05/31 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 遊園 うまい物を食べて帰ろう 珍芸の犬たちも辛くなったらしいし 切符をもぐおねえさんの口紅も褪せかかった あと十年もしてお Continue reading →
週末―森忠明『ハイティーン詩集』(連載17) 2021/04/30 by Ω No comments (1966~1968)寺山修司選 森忠明 週末 若いのだ ということ 不覚といえばそれだけで おれもやはり土曜は半どんで多少多く愛するだろう 旅にでれば哀しい過去の Continue reading →