生き物語-自然は尋常ではない!<ウスベニアオイ(コモンマロウ)>87話

 

若生のり子NORIKO WAKO)

 

ウスベニアオイ、ケイトウ、カンナ、ヒマワリ

わたくしの幼少時の代表的な『夏の草花』たちでした

都会でも、空地や、道端、各家庭の庭に植えられ、盛夏を彩るありふれた風物詩としてお日様を満喫していました、が

今やご時世、住宅地では人口密集・地価の高騰により、草花を咲かせる空き地や各家庭の庭が瞬く間に激減し

そこかしこに小規模マンションが立ち並ぶ状況・環境下では、これらの草花たちも消え去る運命を余儀なくされつつあります

失われてゆく瞼の奥に鮮やかによみがえる時代の風景を

夏が終わり秋の訪れの軌を一つにし

しみじみと感慨にふけってしまいます

 

<夏に咲く花>らしい、存在の強さがあります

「キレイ、カワイイ、カレン」なんて言う柔な常套句の形容詞なんぞを突破しています

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲き誇っていますが

はっきりとした花だからこそ、かえって葉陰に忍ぶ物悲しさを感じます

あの日あの頃

 

花も流行りすたれがあるのでしょう

グローバル化がココにも及び、かっては映像や図鑑でしか見たことのないようなステキな色とりどりの草花たちが

世界中から輸入され、また栽培され、園芸店やお花屋さんではそれらが人気をはくして幅を利かし

大味な前述の彼らは隅っこに追いやられています

 

気になって調べてみますと、意外や意外、たくさんの情報がありました。

まとめますと
アオイ科の多年草で、ヨーロッパを原産とし、6月〜9月の開花、高さ約2mにもなる植物、英名では、コモンマロウまたはマロウブルーといいます。
紀元前8世紀頃から食用とされていたと考えられ、16世紀には万能薬を意味するオムニモルビア(omnimorbia)と名付けられました。
日本では江戸時代に伝来してきたといわれています。
ウスベニアオイが属するマロウの植物には現在1000種もの種類があるといわれ、中でも最も薬効が高いのがウスベニアオイです。
若葉と花はサラダやハーブティに、葉と根は茹でて、野菜としても利用できます。
花にアントシアニン、葉にはタンニンが含まれ、粘液質を豊富に含んでいる根は、風邪によるのどの腫れや痛み、胃炎、膀胱炎、尿道炎などの粘膜保護のために用いられ、また神経を穏やかにする働きがあり、せきや気管支炎などの呼吸器系の症状にも効用があります。
花のアントシアニンはポリフェノールの一種で、紫外線やウイルスなどの外敵から身(実)を守るために植物がつくり出した成分で、視機能を改善する効果があります。
タンニンを豊富に含む葉は消炎のために湿布薬として使用されることもあります。
上記の多様な効能から、スペインでは、「家庭菜園とウスベニアオイ、それだけあれば、家庭用の薬には十分である」ということわざが残されているそうです。
ハーブティーとして花弁をお湯に浸して飲用する際には、色の変化が起り楽しむことができます。
最初は目にも鮮やかな濃い青色となり、時間の経過とともに空気に含まれる酸素と反応して、次第に紫色に変化していき、さらにレモン汁を加え、液を酸性化させると瞬時にピンク色に変ります。反対に、重曹を入れることで液をアルカリ性にすると明るめの水色に変化します。
この色の変化の特徴から「サプライズティー」とも呼ばれています。

和 名:   ウスベニアオイ
英 名:   common mallow blue mallow
学 名:   Malves sylvestris
分類名:   アオイ目 アオイ科 ゼニアオイ属
原産地:   ヨーロッパ
種 類:   宿根草
花言葉:     柔和な心

参考文献
・田部井満男 ハーブスパイス館 小学館
・佐々木薫     ハーブティー事典 池田書店
・林真一郎    メディカルハーブの事典 東京堂出版

 

わこう のりこ (Artist)
(pubspace-x10559,2023.12.08)