若生のり子(NORIKO WAKO)
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彼岸花は球根植物で、中国から稲作が伝来するのとに合わせて帰化したとされています
その名前の由来は、秋の彼岸の期間だけに花を咲かせることからきています
「彼岸花を家に持ち帰ると火事になる」「彼岸花を摘むと死人がでる」「彼岸花を摘むと手が腐る」という三つの恐ろしい迷信は
花の色や姿が炎を連想させることと有毒植物(リコリン、ガランタミン、 セキサニン、ホモリコリンなど含む)であることによっています
(甚だ、彼岸花にとっては迷惑千万で気の毒なことです)
上記の理由で、日本全国各地で恐怖や災害、危機を連想させる別名がたくさんつけられています
(なんと千くらいあるそうです)
曼珠沙華(まんじゅしゃげ/かんじゅしゃか)、死人花(しびとばな)、地獄花(じごくばな)、幽霊花(ゆうれいばな)、剃刀花(かみそりばな)
狐花(きつねばな)、捨子花(すてごばな)、毒花(どくばな)、痺れ花(しびればな)、天蓋花(てんがいばな)、狐の松明(きつねのたいまつ)
狐花(きつねばな)、葉見ず花見ず(はみずはなみず)、雷花(かみなりばな)、はっかけばばあ、など
学名: Lycoris radiata
Lycoris(リコリス)は、ギリシャ神話の女神・海の精であるネレイドの一人 Lycorias から由来する
radiata(ラディアータ)は、ラテン語で放射状を意味する
花言葉:
白色:思うはあなた一人/また会う日を楽しみに
赤色:情熱/独立/再開/あきらめ/悲しい思い出/思うはあなた一人/また会う日を楽しみに
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迷信など、吹っ飛んでしまうくらい美しい彼岸花をご堪能ください。
、、、、花姿の繊細かつ複雑さや恐ろしいくらいの美しさ故に、かえって『この世の花』とは思えない面もちや雰囲気を醸し出しています、、、
黄泉の国に誘われます
彼岸と此岸の橋渡し
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日本では死や不吉な印象で忌み嫌われているのですが、反対に、曼珠沙華(彼岸花)は、サンスクリット語「manjusaka」で「天上に咲く紅い花」という意味があり、
よいことの前兆ともいわれています
有毒成分であるリコリンは水溶性で、長時間水に曝せば無害となるために、球根(鱗茎)はでんぷん質が豊富に含まれているので救飢植物として戦時や非常時において食用とされたこともあり、また、鱗茎は石蒜(せきさん)という名の生薬であり、利尿や去痰作用があるそうです
人間にとって有害だけというのでなく、反対に役立つ(救済する)こともあるという両極面をもち合わせた不思議な植物です。
普段は、有毒植物として恐れられ人間から忌嫌われているのですが、飢饉の非常時においては、身を捧げ人間を救うという有難い植物なのです。
その点人間は残念ながら、、、。
普段は、暖かい心で信念をもって何事も処することができるやもしれませんが、人間自身の絶体絶命の非常時には、己のことを差し置いて身を捧げることができるかどうかたいへん怪しいものです。
「普段いつも言っていた信念はどこにやったの」と突っ込みたくなるような人間の行為をたくさん見てきました。
まあー『それが人間なのだから』と言われれば致し方ないのですが、、、。
わたくしも、人間のひとりとして戒めを込めて、潔よい内省がいかに重要かと心します
愛知県半田市矢勝川の堤防は 300万本のヒガンバナが毎年咲き誇ることでつとに有名なスポットだそうです。
近くには「新美南吉記念館」があり、『ごんぎつね』の舞台として名をはせている場所で、合点がいきます。
きっと、その場に立てば、やにわに突風が吹き、川のせせらぎが浪打だって、『ごん狐の世界』にトランスすることでしょう。
きっと、三途の川の河岸にも、何百本の彼岸花が枯れることなく永久に咲き続けているのでしょう。
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わこう のりこ (Artist)
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