若生のり子(NORIKO WAKO)
鳥じゃない
雪じゃない
じゃあ、いったい、何なのかしら?
・
・
・
雪に嘴があるなんて
自然の悪戯! 神のしわざ?
・
大屋根から落ちる寸前の雪だけなのに
うずくまる鳥の姿態そのものだ
自然の「技」に驚嘆する
・
穴
穴の向こうは
・
・
ギョッとすることなかれ
ヘビじゃない
ヤドリギ
宿主の木が枯れて折れても
それを支え
みごとな螺旋を描き
天まで昇る
龍の如く
・
・
木のそば右下に
かぐや姫が
目を細めてやさしく微笑んでいます
.
雲のさざ波が血に染められた西方浄土とは!
人間世界の現在2015年を象徴しているかのようだ
<どす黒い夕焼けの中に立つて
もはや人間も馬どもも棲めなくなつた世界は。
またいい。>
と、小野十三郎は数十年前に書いた。
今のアラブは、虚構の世界ではなく、まぎれもなくその現実に向かいつつある
現実となると、<またいい。>
とはとても言えない
・
・
・
時を超越する永遠の眼差し
地球がどうなろうとも
何事もなかったのように、太陽は、遠ーくで燃え続ける
何を見ているのだろう
きっと、地球に存在した人間の愚かさを
やさしく、やさしく
・
・
どうしょうもなく存在の切なさが、胸底に澱になって溜る
・
(わこう のりこ Artist)
(pubspace-x1639,2015.3.6)