若生のり子（NORIKO WAKO)
鳥じゃない
雪じゃない
じゃあ、いったい、何なのかしら？
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雪に嘴があるなんて
自然の悪戯！ 神のしわざ？
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大屋根から落ちる寸前の雪だけなのに
うずくまる鳥の姿態そのものだ
自然の「技」に驚嘆する
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穴
穴の向こうは
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ギョッとすることなかれ
ヘビじゃない
ヤドリギ
宿主の木が枯れて折れても
それを支え
みごとな螺旋を描き
天まで昇る
龍の如く
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木のそば右下に
かぐや姫が
目を細めてやさしく微笑んでいます
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雲のさざ波が血に染められた西方浄土とは！
人間世界の現在2015年を象徴しているかのようだ
＜どす黒い夕焼けの中に立つて
もはや人間も馬どもも棲めなくなつた世界は。
またいい。＞
と、小野十三郎は数十年前に書いた。
今のアラブは、虚構の世界ではなく、まぎれもなくその現実に向かいつつある
現実となると、＜またいい。＞
とはとても言えない
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時を超越する永遠の眼差し
地球がどうなろうとも
何事もなかったのように、太陽は、遠ーくで燃え続ける
何を見ているのだろう
きっと、地球に存在した人間の愚かさを
やさしく、やさしく
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どうしょうもなく存在の切なさが、胸底に澱になって溜る
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（わこう のりこ Artist）
(pubspace-x1639,2015.3.6)