二重虹のように――『ノートに書いたながれ星』 2023/04/30 by Ω No comments 森忠明 タクシー運転手をしている幼なじみに言わせると、私は「日本一セコイ作家」なんだそうである。理由は「死んだ姉貴のことだけで何冊も本を書いちゃったり」して「取材のためのタクシーな Continue reading →
老賢人と因業――『あるがままを受け入れて』 2023/03/31 by Ω No comments 森忠明 おととし、NHKテレビのリハーサルで、登校拒否の経験を喋っていると、女性ディレクターが近寄ってきて「不登校と言いかえてくれませんか」。 たしかに私の場合、学校 Continue reading →
七百分の一天使――『のんちゃん』 2023/02/28 by Ω No comments 森忠明 成人式の日に築地本願寺で通夜があった。私の高校時代のK先生(数学担当)が、六十三歳で病死したのだ。久しぶりに会した元同級生十人は「ちょっとお茶でも」と有楽町へ流れた。喫茶店 Continue reading →
巣立ち前夜――『また、あした』 2023/01/31 by Ω No comments 森忠明 毎年、正月は妻の実家がある広島市で迎える。元日と二日は家族サービスに徹し、三日は放免されて単独行動、必ず「ひろしま美術館」へ行く。 ことしもお気に Continue reading →
絶景貧乏性――『空と話せる指定席』 2022/12/31 by Ω No comments 森忠明 昨春、初めて福岡タワーに昇った。生来の高所恐怖症と”絶景貧乏性”のために、展望台でのコーヒーを味わう余裕もなく、そそくさと降りてきた。 Continue reading →