積山さんの映画評論を読んで

ちびまるこ(ペンネーム)

 
積山諭様の映画評論・紹介、すごく刺激を受けました!「蘇ったヒトラー」は見たいと思っていたのですが、「ローマの休日」も、「スパルタカス」もトランボが書いたと聞いてますます見たくなりました。
2回目エディット・ピアフ物語――加藤登紀子コンサート――を鑑賞して、マレーネ・ディートリヒ、エディット・ピアフの抵抗精神に感動した後でもありましたから、トランボ氏に関心をもちました。「スパルタカス」と言えば、その名にちなんで後のドイツ革命をめざしたグループは「スパルタクス団」を名乗ったのでした!ローザ・ルクセンブルクもその1人!あちこちでテロで命が失われてますが、短絡的でなく、歴史の事実に学ぼう!
最近見た映画で心に残ったのはエルマンノ・オルミ監督「緑は蘇る」――20年ほど前「木靴の樹」で、フランスの18-19世紀の革命のあとも農村に残る封建制を描いていた――。このタイトル惹かれ最終日頃岩波ホールで見ましたが、単純な私が想像していたような――人が木を植え、緑が蘇るなどの――場面などなく、戦時にいるような緊張感、臨場感で見ました。どこかの映画館でかかっていたら、ぜひ若者に見てほしい!
安全保障法=戦争に巻き込まれるかもしれない法=ゆえに戦争法が施行される時代だから特に! 7月10日参院選はぜひ貴重な1票を無駄にしないで。一歩間違えると自民改悪案で憲法改悪になりそう!
facebookやYouTubeで「日本国憲法改憲の誓い」(?)を見てください! 6月18日安倍も下村――金権問題も解決してないのに――も政調会長稲田朋美も参加。あれでは参院選公約に憲法改憲を載せられないはず!そのあやしげな会で現憲法の基本的人権、国民主権、平和主義はいらないと豪語しているのですから!
 
若松孝二の「キャタピラー」が、 仮に積山さんのおっしゃるパクリだとしても、あの映画も若者にぜひ見てほしい!戦争の真実を語っています。最近の若手監督の「野火」――大岡昇平原作――よりはずっといい。昔の「野火」を見たいと思っています。
Aさんは「実録連合赤軍」に批判的で、私も作品の質でいくと、落ちると思いますが、私たち世代と違い、リアルタイムで浅間山荘の中継・ニュースを見ていたわけではない若者には、少しは想像のきっかけになるのでは?元警察官僚の佐々淳行が「浅間山荘事件」の手記を書いたり、あちら側の視点からの捉えたものが多かったですから、若松はこちら側の視点で描きたかったのでは?
乱暴な切り取り方ですが、結局閉ざされた空間の中で、連合赤軍の個々が意識しないうちに、日常のあちら側の思考からの言葉が、検討されることなく命令型で発せられ、絶対に抗えない中で、粛正が行われた。もしこの連合赤軍の過ちを、あちら側が隠蔽し、若者らから政治性を抜き取ろうとしなかったら、オウムの悲劇はなかったのでは、と思います。
過去の検証をせず進む今は危うい!ダッカもパリも、第一次大戦、第二次大戦、さらにその前……と、世界史的――どなたかの本の受け売りになりそうですが――に見ないと……。イスラム国とおっしゃるが、湾岸戦争の頃生まれた子らが、そのメンバーにもたくさんいることでしょう!死人に口なしだが、故小渕があの時どうしたか?9.11のとき小泉はどうしたか?しゃあしゃあと脱原発の旗振り役になり、自民党の比例代表の政見放送では、務めてにこやに装う安倍の横には小泉の息子進次郎がいて、安倍政権による農村の破壊――ますます進む破壊――を擁護している。
煮ても焼いても食えないあちら側のおとなたちを前に、若松はたった一つの警告を発するために、長々と「実録連合赤軍」を作ったのだと思いました。最後のシーン、リーダーの弟(架空か実在か?)が「誰かがこれは間違っているという少しの勇気があったら」とつぶやく。必要な勇気は少しどころではない、おとなの装いをすればするほど、無邪気な子供のように、「王様は裸だー!」と言えなくなる。
思いつくまま、整理せず書かせていただきました!積山さんに触発されて。
 
(ちびまるこ(ペンネーム))
 
(この記事は公共空間Xのメーリング・リストから採録したものです。――編集者)
 
(pubspace-x3398,2016.07.08)