若生のり子(NORIKO WAKO)
山並みに植林されているカラ松
斜面だからなのか根の半分が地面から浮き上がっていました
長い年月の間、幾度かの豪雨で表面の土砂が流されてしまったのでしょう
むき出しの根は、折れたり、腐ったりして無残な姿をさらしています、が
そんなことなどモノともせず
地上20m~30mほども直上し太陽を目指しまっしぐら
地上部を懸命に支へ
どれ一つとて同じ根張りはありません
目に見えて聳えたつ姿はヒョロヒョロしてますが勇壮
樹冠はバランスのいいツリー型で林立し、遠目にはマスとして抑揚のグリーンの濃淡がありとても美しいです
が、一変して地下の根っこは生存競争の並々ならぬ厳しさ激しさを物語っています
自然が造形する根の険しさの妙
なぜ、過密になっても間引きもされず、また剥き出しの根になっても
放置され続けているのかと訝しく思っていました
人間の手が入って植林されてきたことは明らかなのに
調べてみますと、それは
見通しのない行き当たりばったりの国策によって
第二次世界大戦後の復興造林として翻弄され続けてきた経緯がありました
カラ松の歴史にとっても、植林される以前の原生林にとっても
大変申し訳ないことでした
その詳細は次回に
わこう のりこ (Artist)
(pubspace-x9543,2023.03.04)