生き物語-自然は尋常ではない !<カラ松の根っこ2・復興造林>73話

若生のり子NORIKO WAKO)

 

カラマツ(学名:Larix kaempferi)は、漢字で「落葉松」「唐松」とも明記され、マツ科カラマツ属の針葉樹です。

まとめてみました。
日本に自生するマツ属としては、珍しくて唯一の落葉樹として知られています。
晩秋になると見事な黄金色に紅葉し、ほかの紅葉する樹木と比べて時期が遅いことから、冬の到来を告げる風景としても知られています。
樹高が約30mまでも成長します。
幹の直径は1mを越えるものもあり、クリスマスツリー状からやや細長い円錐形と、整った樹冠を形成します。
標高が高い場所や風の強い海岸地では、背丈が低く、風の影響を受けて樹木の形態が変形する「風衝形」を呈したカラマツを見ることができます。
春になると芽吹きの時期を迎え、葉は、直径2~3㎝ほどの線形で、中心を軸に複数が放射線状に伸びており、1本の枝に複数が連なっています。
花は5月頃に見られ、同じ株の中に雄花と雌花の2種類の花を付ける「雌雄同株」です。
新葉とともに、緑色の雌花は上向きに、雄花は下向きに花を咲かせます。
9月~10月頃になると果期を迎えます。
松ぼっくり(球果)は2~4㎝弱に成長し、多数の鱗片状の構造を持つ形状はマツ属の球果とよく似ています。
マツ属の球果の鱗片には肥大部分があり突起状に発達するのに対し、カラマツを含むカラマツ属の球果は発達せずに平滑のままなのが特徴です。
種子には翼があり、球果は種子を飛ばした後も枝に残り、冬になると枝ごと落ちているのをしばしば見ることができます。
自然林は、主に本州中央部の日本アルプスや、富士山、奥日光などの高地に分布しています。
寒冷に強く、成長が早い上に火山灰地や溶岩地などの劣悪な土壌でも生育するため、第二次世界大戦後の復興造林として、中部地方の高標高地や北海道、東北地方などに多く植林されました。
育苗しやすく、根付きや成長が早いので大量生産に向いた樹木として重宝されていました。
人工林の植林面積としては、スギ、ヒノキに次ぐ3番目の広さを誇り、北海道では現在、総人工林面積の約3割にあたる46万haをカラマツ林が占めると言われています。
戦後の造林で脚光を浴びたカラマツですが、植林時点では、どのように利用するのか、十分な見通しをもっていなかったようです。
当時は、カラマツは良い建築用材や土木資材になる筈と考えられていたのですが、残念ながら、繊維が螺旋状に育つという特徴があることが分かり捻じれが生じ易いので板材には不向きであることが判明し、また次なる用途としてパルプ用材も考えられたのですが、松ヤニを多く含んでいる為採算が合わずで、とうとう管理されなくなり放置される運命になってしまったのでした。

現代は、土木資材(岸壁やビルのコンクリートを固める時に用いられる)として少しづつ復活しているそうです。

出典:https://mori-naka.jp/article/2112/
『森を感じる』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人間の都合でどうでもいい様にされる境涯、つくづく<阿漕な仕打ち>と申し訳ない気持ちになりまました。
根が写真のように朽ち果てるにまかせ放置され、また成長するにつれて過密になるのに間伐もされず、
そこかしこでひょろひょろと倒れている姿を見るにつけ無残に感じて心が痛くなってしまいます。
自然の掟で、そういう淘汰が起こる自然林とは明らかに違うように見えました。

 

わこう のりこ (Artist)
(pubspace-x9544,2023.03.24)