生き物語ー自然は尋常ではない! <枝垂れ桜>116話

 

 

若生のり子NORIKO WAKO)

 

桜ばないのち一ぱいに咲くからに 生命をかけてわが眺めたり

                      岡本かの子

・・・・・

かの子らしい力強い意思の現れ

・・・

わたくしも全身全霊をかけて<い・の・ち>に臨みたいと思います

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たぶんみなさんが岡本かの子の作品に惹かれているところも、たぶん、その一種の生命の流れみたいなものを高揚する、解き放つところじゃないのかなと思います。それはどこから来ているかというと、法華経から来ていますし、法華経に対する独自な考え方で、二五番目の「観世音菩薩普門品」というのを全面に出して法華経の全内容を背面に考えたという考え方から来ていると考えると考えやすいんじゃないかと思われます。
それからあえて岡本かの子の特徴を言いますと、生命の糸をこれだけ文学作品のなかで見せて感じさせたという作家というのはほかにいないわけです。
けれども生命の糸、それを引き延ばしたり縮めたり、回収したり絡ませたりということで人間の心の世界、関係の世界を描いていると理解したら、これはほんとうに明治以降の近代文学のなかで一人二人三人しかいない大作家だということになると思います。
(岡本かの子ー吉本隆明の183講演ーほぼ日刊イトイ新聞より抜粋)

 

わこう のりこ (Artist)
(pubspace-x12982,2025.04.10)

 

かって の2015/04/07桜の記事

懐かしいですね、もう10年も経ってしまったなんて!!!

「サクラ(SAKURA)ー諸行無常」生き物語ー自然は尋常ではない!5話